弱医が斬る‼︎【小児予防接種ワクチン論争】ウチの子は打つべきか?打たざるべきか?

子育て

おっす、オラ弱小二流医。

我が子の定期予防接種が近づいてきた。

そこで今回は、子を持つ親なら避けて通れない予防接種について述べてみたいと思う。日本では生後2ヶ月頃より定期予防接種が始まるが、ワクチンを本当に打つべきか、それとも打たない方が良いのか、産後すぐの子育てにまつわる関心事の一つになっている様だ。弱医も例に漏れず、様々に調べているところである。

それなりに医療の知識を有している弱医でもワクチンについては知らなかったことも多く、せっかくの機会なので、正確に情報を仕入れた上で判断していきたい。

ワクチンで防げる病気(Vaccine Preventable Diseases)VPD

罹患すると重篤な後遺症を残したり、死に至る可能性が高い病原体の中で、ワクチンを投与することで罹患率を下げたり重症化を防ぐことができるもの、それをVPDと呼ぶ。

我が国において、0歳児までに摂取が推奨されるワクチンは以下の通りだ。

<生後12ヶ月までに始まる定期予防接種>
DPRーIPV(四種混合ワクチン):ジフテリア、百日咳、破傷風、ポリオ
MRワクチン:麻疹、風疹
Hibワクチン:インフルエンザ菌b型
小児用肺炎球菌ワクチン:肺炎球菌
B型肝炎ワクチン:B型肝炎
BCG:結核

日本における小児予防接種の摂取率

実際、どれくらいの人がワクチンを「打つ派」、「打たない派」として別れているのだろう。

定期の予防接種実施者数|厚生労働省
定期の予防接種実施者数について紹介しています。

上記の厚生労働省による資料では、0歳時の定期予防接種率は概ね98%越えと高い数字となっているが、これでも海外の事情と比較するとまだまだ低い現状であるらしい。

1年間に出生する新生児の数が現在およそ86万人(ちなみに過去最小を記録)とすると、単純計算で日本ではおよそ1万5000人程度の0歳児は何らかの理由で定期予防摂取を受けていないという計算になる。

1994年に定期予防接種は、義務から努力義務に格下げされ、そういった背景から、子供にワクチンを一切打たない、または一部の定期予防接種のみ実施しない、あるいは推奨される施行回数よりも減らして実施するという選択をする親も一定数は存在しているようだ。

今回は、「関連書籍を80冊読んだ」と豪語するワクチン反対派の4歳児の父(これまで子供のワクチン摂取はゼロとのこと)である人物と偶然にも意見を交わす機会があり、ワクチン反対派の人たちは何を恐れ、子供にワクチン摂取を行わないという選択をするのか、弱医なりにその実態が見えてきた。その報告を通して自論を展開してみようと思う。

ワクチンの副反応を恐れている

まず挙がるのが副反応、副作用である。これは理にかなった言い分である。確かに一定の割合でアレルギー反応などが生じるリスクはあり、それを恐れてワクチン摂取を躊躇する気持ちも解らなくはない。

こういう時は、闇雲に恐れるのではなく、ちゃんとデータを調べよう。

ワクチンの副反応の発生確率、発生件数と重篤な後遺症の発生率及び死亡率を調べれば、どれくらいワクチンの副反応を恐れるべきかが自ずと見えてくるであろう。

医療提供側、ワクチン推奨派の意見としては重篤な副作用が起こることは極めて稀という説明にとどまる。

成人を合わせたデータではなく、0歳児でのワクチン摂取児のうち、どれくらいの確率で実際に副反応が出現しているのか、重篤な副反応はどれくらいか、仮に死亡例があるとすれば死亡率はどれくらいか、という具体的な数字を示す必要がある。以下は日本小児科学会から発行された参考資料からの抜粋である。

また、万が一のための健康被害に対する救済制度(障害年金)も存在しているが、正直お金の問題ではないので、ワクチン反対派の考えを改めるには弱い材料であろう。

ワクチンに含まれる添加物を恐れている

ホルムアルデヒド、アルミニウム、殺菌・防腐剤成分としてチロメサール(エチル水銀)など、確かに少量ではあるが含まれていることが添付文書に記載されている。

以前は、チロメサールが自閉症の原因であるといった主張がアメリカを中心に広がっていたが、その後の研究結果で否定されている。今でも添加物による害悪を強く盲信している人達は存在している。

人体に害を与えるほどの量ではないとの理由で使用され続けているのであるが、まあ、ワクチン反対派からすれば、「お前らの言うことなんか簡単に信用できるか!」というものなのであろう。

0歳児から沢山のワクチンを打つのは日本だけ

これは完全にデマであるようだ。外務省HPに、世界各国のワクチン予防接種事情が閲覧可能となっている。参考として、アメリカ(ニューヨーク)とフィンランドなど衛生環境の整った国では、3ヶ月目から定期予防接種が始まるようだ。

Access Denied

日本では、VPDに罹患する率、重篤化する率が低い

なるほど確かに衛生水準、医療水準の極めて高い日本において、世界水準を参考にすることは間違いであるかもしれない。世界的にはWHOがワクチンを受けることのメリットが、ワクチンを受けないでVPDの被害を受けることのリスクよりも極めて大きいと判断しているが、それは世界の様々な衛生環境の国を考慮入れるからそういう結論になるということだ。

また、今回のコロナ騒ぎのように、WHOの声明に特定の国による干渉があるのではないかと懸念があると、益々、陰謀論信者は疑心暗鬼を深めていく結果となるだろう。

そもそも、「公表されているデータ自体が本当に正しいのか?」ということすら怪しいと考えてしまうと、もはやデータの価値すら無くなってしまうのだから。

ワクチンで自閉症になってしまう

これは、アメリカで悪名高きウェイクフィールドという医師が提唱したことをきっかけに一大論争を巻き起こした。その後、様々な研究結果からワクチンと自閉症には関連性がないことが結論付けている。
しかし、それでもワクチン反対派の人たちは、「そんな作られた情報に騙されてたまるか!」とむしろ奮い立たせてしまうのかもしれない。

ワクチン投与によってDNAが変わってしまう

これについては、何とも疑似科学的な匂いがプンプンする。真面目にこういうことを言われると、それを示唆する科学的な根拠は一切ないのだが、だからと言って必ずそんなことは起こらないとは言い切れない部分もある。科学とは再現性の学問であり、逆に言えば証明できないものは絶対に嘘だと決定づけることもできないのである。

例えば、環境因子によってDNA発現のオンオフが切り替わる、所謂、DNAスイッチングという現象は科学的にも論じられている。すなわち、ワクチンという人工物の体内投与により、DNAスイッチングが生じるかもしれないという可能性は完全に否定できない。何度も言うが、証明しようがないものは完全に否定しようがないからだ。

ワクチンは医療ビジネスの権化である

医療機関が執拗に「ワクチンを打て!」というのは金儲けのためであると頑なに信じている人達もいる。ワクチンという一大ビジネスとしての側面。そして、幼少期にワクチンを投与することで、DNAに何らかの修飾が加わり、成人してからも疾病にかかりやすい身体となる。そのため、医療ビジネスは永続的に反映し続けることができるという、もはや都市伝説としか言いようのない主張を大真面目な顔で主張してくるのである。

人の欲とは、計り知れない力を持つ。確かに、「まさか!」ということも意外と平気で行われているのがこの社会だ。医療とは世界規模の一大産業であることからこういう疑念を抱かれやすいということだろう。新薬販売のために都合の良いデータを集めていたことがバレてニュースになるということがたまに起こったりするのだから、当然疑いたくもなるだろう。

ワクチン推奨派の意見

今回、上記に挙げたような理由から、ワクチン反対派の意見は根強く存在していることがわかった。多くの医療機関、厚生労働省もワクチン摂取を推奨しているのは事実であり、

たとえ罹患率は低くとも、もし仮にワクチン未摂取でVPDに罹患した場合、重篤な合併症や後遺症、死に至る危険性が高い。

これこそがワクチン推奨派の意見そのものである。

可能性は低くとも、もし起こってしまったら致命傷ということを何度も繰り返し訴えている。

厚生労働省、医師会や小児科学会などもワクチン推奨の宣言を出しているにもかかわらず、日本はワクチンの摂取率が世界と比べて低いワクチン後進国などと揶揄されており、誤解や疑念を解くための正確な情報提供をもっと積極的に進めるべきだ。

政府や医療機関がワクチンは必要だとして説明する情報には、ワクチン反対派の意見として疑念を抱いている部分に沿った説明パターンが不充分だと感じた。

「怖い病気なってしまってからは遅いのでちゃんとワクチンを打ちましょう」という、通り一辺倒の説明しか存在しない。

また、一般的な罹患率や死亡率をあげつらっても、それでは論点がずれている。

あくまで、知りたいのは、ワクチンを摂取しなかった人のうち、どれくらいの人がその疾患に実際に罹患し、どれくらいの人に重篤な後遺症が発生し、どれくらいの人が死亡しているのか、これを是非とも大々的に開示すべきである。

この情報がわからないとワクチンの摂取が、本当にその疾患の罹患リスク、合併症リスク、死亡リスクを減らしているのかがわからない。

ワクチン対象疾患の、本邦における、年間発症件数、そのうち重篤な合併症発生件数、死亡件数と、また、それらのうちワクチン未摂取者の割合はどれくらいか、ワクチン推奨派の人間は、もしこの情報を持っているのであれば、是非とも大々的に開示するべきである。

もし、この情報がどこかにわかり易く開示されてるのであれば、是非コメントで教えていただきたい!!

親としての考え

最後に弱医の親としての立場からの考えを述べたいと思う。様々な情報を検討加味した結果として、弱医は親として、定期接種の推奨されてるワクチンは打つ。という何とも平凡な選択をする。まさに、弱小二流医師たる由縁である。

ちなみに、ワクチン関連の書籍としては、まさに玉石混交であるが、弱医としては以下のものをお勧めしたい。是非、ご一読あれ。

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