弱医が語る【雇われ院長】という生き方の恐さ

働き方

こんにちは弱医です。

今回は、医師の働き方の一つである、雇われ院長という働き方について自身の苦い体験を元に考えを述べてみたい。

弱医の雇われ院長時代

弱医も若かりし日、あまり深く考えずに安易に雇われ院長を引き受けたことがある。

クリニックのホームページには顔写真を出さないという条件で引き受けたのだが、クリニックの経営にノータッチなのに、何かやるときは自分の名前が使われる。そんな関係に一抹の不安と不気味さを感じた矢先、

偶然にも自分の写真が院長としてインターネット上に晒されていたのを見つけてしまったのだ。クリニックのホームページではなく、まとめサイトのようなところに宣伝として利用されていたのである。

やっぱり経営者は他人の人生なんかより利益優先なのだと痛感した瞬間であった。

それを理由に早々に院長を辞めさせてもらったという苦い経験がある。

インターネット上に黒歴史が残ってしまう

また近年は、院長にSNSの発信を積極的に求めるクリニックも多い

利益を出すため、目立つために無理やりに個性の強いキャラクターを仕立て上げたり、挙げ句の果てはYouTuberや書籍の執筆なんかまでエスカレートする場合もある。

果たして本当にやりたいことなのか?
自分がなりたかった姿なのか?
何のために医師になったのか?

目先の手っ取り早い利益に飛びつき、もっと大事なものを見失っていないか?

しっかりと考えてから引き受けるべきである。

何かあったら矢面に立たされるのは院長

オーナーには、当然ながら医師としてのリテラシーが通用しない。

経営者には医の倫理もクソもなく、あくまで患者を客として見ており、経営のために利益率をとにかく気にする。

つまり、患者第一の医療を提供するどころか、経営の為に質の落ちる粗悪な医療の片棒を担がされる可能性だってある。

雇われ院長とは、オーナーの資金の後ろ盾を元にして看板を担ぐ医者である。

つまり、何かあったときに矢面に立つのは院長だ。例えば、利益優先の経営を繰り広げ、患者からのクレームや何かのトラブルになったとして、院長がいくらオーナーからの指示でやったことだと言っても、記憶にも記録にも残るのは院長の名前である。

世の中には、経営母体が胡散臭いクリニックも多々存在する。特に美容クリニックなどの自由診療は、怪しいビジネスで利益を成した人間の節税対策に使われているなんて噂もあったりなかったりする。

知らぬ間に、胡散臭いビジネスの温床に足を踏み入れてしまった。などということのないように、オーナー側の情報(特にメインとなる事業内容)もしっかりと把握してから引き受けるべきである。

院長は簡単にやめられない

そして、いざ辞めようと思っても院長となると簡単に辞めさせてもらえないという話をよく聞く。知人の医師は雇われ院長を辞めさせてもらえず、最終的に何も伝えずに飛んだ人もいる。

院長の変更は煩雑な手続きを要するため、簡単に代わりは現れない。院長不在の期間はクリニックが営業できないため、自分が辞めたいと言ったからといってもすんなりと辞めさせてもらえないと思っておくべきだ。

以上のように、雇われ院長には旨味もあるが、リスクも非常に多い働き方である。

今一度、よく考えてから引き受けることを強くお勧めしたい。

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